質問(村上)
景気回復が伝えられる一方で、九月の失業率は4.7%と再び雇用が悪化しています。背景にはグローバル化に対応しての産業競争力の強化策として各産業分野で進むむ合併・淘汰があり、そごう、千代田生命と大型倒産と合併が相次いでおります。とりわけ、中小零細企業の多くが構造改革の名のもとで切り捨てられています。今年上半期の倒産は負債額10兆円を突破しました。千葉県の10月の企業倒産に伴う負債額は298億円にもなっています。国の方針も失業防止から労働力の流動化に方針が転換しています。
その犠牲は働く者と中小企業の経営者にしわ寄せされています。働くものは歯どめのないリストラ、賃金の切り下げが強制される一方、パート、派遣労働などの不安定な雇用が拡大しています。再び失業率が高まる一方、厳しい雇用情勢で職探しをあきらめた中高年、若年労働者が激増しています。こうした人たちをマスコミでは失望者あるいは就職意欲喪失者と呼んでいます。ことし二月の総務庁の発表によれば、その数は445万人となっています。これらの統計にあらわれない失業者を加えると実際の失業率は大変な数字になります。中高年、若年労働者などの高失業率には構造的要因があり、また、雇用を阻む要因があります。
そこで伺います。県の雇用対策の抜本的見直しと強化策が求められていますが、県はどのようにお考えでしょうか。
次に、雇用対策の課題についてです。県の雇用対策は、@県内企業に対する雇用の維持と雇用枠の拡大を求める知事親書の送付など、Aシルバー人材センターの育成など高齢者対策、B新卒者の雇用対策となっています。知事、並びに県当局のこれまでの御努力を評価しますが、しかし、従来の景気が回復すれば、雇用も改善されるという発想では、景気の回復の一方で進む新たな失業や、中高年、若年者、障害者の高失業と未就職状況の改善やパート、派遣労働などの不安定な雇用環境の改善には対処できないのではないでしょうか。
そこで具体的に伺います。
今、離転職者対策としての職業能力の開発が求められています。県は離転職者向けに職業訓練をしておりますが、管理職を含む事務部門への対応について、関連科目の拡充等、事業の強化を図るべきと思いますが、どうですか。高等技術専門校における応募及び就職率の状況もあわせてお聞かせください。
次に、中高年の雇用について伺います。中高年の就職を妨げる壁として企業の年齢制限が問題になっています。労働省においても、年齢制限撤廃の法制化を検討していますが、県においても年齢制限の撤廃を関係企業に働きかける取り組みが必要ではないかと思いますが、いかがですか。
次に、労働相談窓口について要望を申し上げます。千葉県の女性労働者に占める。パートの割合は45%にも達しています。賃金も正規従業員の五割から六割の状況にあり、身分も不安定です。リストラがやまず、不安定な雇用が拡大する中での働く人の悩み、苦しみがふえていますが、その相談の窓口づくりが行政に求められています。また、相談だけでなく、相談、あっせん、解決ができる体制づくりが求められています。県においては、労働相談窓口として全支庁に中小企業労働相談窓口を置いていますが、増大する相談に対応する体制にはほど遠いものです。亀戸の労政事務所に千葉の方がたくさん相談に来ていますという実態をぜひ改善してください。
相談の体制づくりだけでなく、相談、あっせん、解決の体制づくりが求められています。労働省では気軽に相談できる処理体制づくりを急いでいます。神奈川県では、行政、労組、ユニオン、弁護士などと連携した相談、あっせん、解決のシステムがつくられ活動しています。千葉県当局においては、これら課題についての取り組みは未経験だと思いますので、連合、ユニオン、弁護士、学者などと、そのあり方について研究し、本格的取り組みの準備を図ってほしいと思っています。
雇用・労働問題は今日的な深刻かつ重大な課題であるにもかかわらず、一方で、地方自治体の中では労政課を縮小、廃止しようとする動きがあります。千葉県はまさかそれにくみすることはないと思いますが、ぜひとも充実・強化へと歩みを進めていただくことを強く要望します。
答弁(沼田知事)
私は雇用問題について、雇用対策の抜本的見直しの問題についてお答え申し上げたいと思います。
県民の雇用の場や労働力の確保は重要な課題であり、県としても国の職業安定行政と連携協力を図りながら、雇用政 策を推進しているところでございます。現在の雇用対策としては、一つには、雇用の場の確保と採用枠拡大についての知事親書による県内企業への要請、二つ目には、県、市町村の実情に即した緊急地域雇用特別基金事業の実施、三つ目には、県立高等技術専門校の離転職者に向けての職業訓練の定員枠の拡大など、また、四つ目には、障害者や中高年齢者の雇用促進対策としての周知、啓発などを実施しているところでございます。
なお、今後も雇用対策の的確な遂行のため、千葉労働局、使用者団体、労働者団体等と連携を図りながら、県の実情に即した施策の検討や体制の充実を図ってまいりたいと考えております。
説明(石田悠司商工労働部長)
私からは雇用問題についての御質問のうち、知事答弁以外の三問にお答えいたします。初めに、離転職者向け職業訓練について、管理職を含む事務部門への対応についても強化すべきとのお尋ねでございますが、県が設置しております高等技術専門校における離転職者向け職業訓練は、本年度定員枠を145名拡大し、7校16科目453名の定員規模で実施をしているところであり、科目につきましても、最近の社会情勢から事務系の職業訓練としてOA事務科などの訓練を新たに取り入れたところでございます。また、離転職者を含め広く県民を対象とする地域職業訓練センター、千葉県テクノピラミッドにおいては、中小企業の管理職を含む事務部門の講座とし て経営管理やIT関連の講座などを91講座開設し、約3,200名の定員規模で実施しているところでございます。 今後とも社会経済情勢の動向を見きわめながら、離転職者向け職業訓練の充実を図ってまいりたいと考えております。
続きまして、高等技術専門校における応募及び就職率の状況でございますが、高等技術専門校における離転職者向け職業訓練の応募状況につきましては、平成11年度は308名の定員に対し3.5倍の応募がございまして、今年度は10月末現在で定員424名に対し、約2倍の応募状況でございます。また、平成11年度の修了生の就職率は70%でございました。なお、未就職の修了生につきましては、引き続き職業安定所等の関係機関と密接な連携をとり、再就職できるよう支援してまいりたいと考えております。
最後に、中高年齢者の雇用に関し、年齢制限の撤廃を働きかけるべきとのことでございますが、最近の厳しい雇用情勢の中で、中高年齢者の再就職は非常に厳しいものとなっており、こうした中で求人の年齢制限は中高年齢者の再就職に支障となっております。このため去る4月に成立いたしました高年齢者等の雇用の安定等に関する法律の一部を改正する法律の制定に際しましては、求人の年齢制限の緩和を指導するようにとの附帯決議がなされたところあります。したがいまして、県といたしましても中高年齢者の再就職を促進するという観点から、求人の年齢制限の緩和について直接職業安定行政を担う千葉労働局と連携を図りながら、企業や団体に積極的に働きかけてまいりたいと考えております。
以上でございます。
再質問
雇用問題について
質問(村上)
雇用問題は高等技術専門校における応募というのがありまして、ならしてそんなに倍率が高いようには思いませんけれども、生の声を聞いてみますと、かなり厳しいと。特にニーズの高いところ、例えば介護関係とかいうところでは非常な倍率を示しているということでありまして、応募率の高いところ、低いところもありますけれども、その辺も勘案しながら拡充していってもらえればなというふうに思っております。 それから、全体といたしまして見てみますと、近年、労働費の構成比が非常に低くなっているわけです。労働雇用の問題に対して県の姿勢が問われるわけでありますけれども、神奈川県や埼玉県と比較しましても非常に落ちているということの中で、労働費をもうちょっと力を入れて、ふやしていく必要があるのではないかというふうに思っております。労働問題、雇用の問題、労働政策に対して労働費のかかわるものが高いわけでありますから、神奈川県、埼玉県というふうな例を見ながら、この労働費の予算を何としてでもふやしていっていただければと思っております。