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 厚生労働大臣
    坂口 力 殿

2002(平成14)年4月16日
「脳死」臓器移植による人権侵害監視委員会・大阪
代表世話人 岡本 隆吉
事務局 冠木 克彦

申し入れ書

 1999(平成11)年6月19日から同月24日までの間、大阪府立千里救命救急センターにおいてなされた「脳死」による臓器移植行為において、人権侵害行為がなされ、それに対し、2002(平成14)年3月25日日本弁護士連合会は人権侵害事実を認定し、同センターに対し人権侵害行為をなさないよう勧告書を執行したことをうけて、厚生労働省に対し、以下の点について申し入れをいたします。

  1. 再評価がなされるべきである。
     
    (1) 「脳死判定等に係る医学的評価に関する作業班」は1999(平成11)年10月27日、公衆衛生審議会疾病対策部会臓器移植専門委員会に対し、「第4例目の脳死下での臓器提供に関する医学的評価について」の報告書を提出した。
     同報告書は臨床的脳死判定の段階で無呼吸テストが実施されたことに対し、その事実のみを指摘し同行為が「臓器の移植に関する法律の運用に関する指針」(以下、「ガイドライン」という)及び、「臓器の移植に関する法律施行規則」(以下、「規則」という)に明白に違反している事自体すら指摘をしていない。
     
    (2) 同報告書を作成する目的は現に行われた「脳死」による臓器移植が医学的判断においても、また、「脳死」判断過程や臓器移植過程において、法やガイドライン、規則等で定められた手順、方法、結果について問題がないかどうかを評価することであるにもかかわらず、上記報告書は明白な手順違反をなんら「違反」として評価していない。
     
    (3) 日本弁護士連合会の前記勧告書(別添)は上記センターにおける無呼吸テストについて「貴センターは、こうしたガイドラインと規則の定めを無視し、第1回の「法的脳死判定」より、48ないし27時間も前の極めて早い段階で、2回にわたり無呼吸テストを行ったものであり、その必要性・合理性を認めることはできず、患者の身体への侵襲行為をなしてその人権を侵害したものと言わざるを得ない」と断じている。
     
    (4) 以上から、本件「第4例目」についての「脳死下での臓器提供に関する医学的評価」を再度やり直すべく、指示されるべきと考える。
     
     
  2. 提供病院たる資格を一時停止すべきである。
     
    (1) 大阪府立千里救命救急センターは意図的に「ガイドライン」と「規則」に違反していることを知りながら、あえて、自己の病院内で勝手に作成した方法 ― 臨床的脳死判断の段階から無呼吸テストを行う ― を強行し、患者の人権侵害に対し、なんら配慮せず、また、反省している様子は表明されていない。
     
    (2) したがって、同センターから「ガイドライン」と「規則」に合致するマニュアルを作成させ、そのマニュアルに従って「脳死」臓器移植を行うという確約をとりつけるまで、臓器提供病院たる資格を一時停止すべきである。

 

以上


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